40歳から初めて中学校の教員の仕事をした経験をお伝えしようと思います。
私が大学を卒業したバブルの終わり頃は、幾つもの会社から内定をいただき、こちらがどこにしようかなと企業を選べる時代でした。
説明会に出席しただけで温泉に招待してもらえると言う、今では考えられない会社もあったほどです。
仕事を持ちバリバリ働いていた母の反面教師で、専業主婦が私の希望でした。
たまたま病欠の先生の代わりに短期間でいいからと教員の仕事を頼まれ、40歳から新米教師になり7年間勤務し、沢山の事を学びました。
ご自分の年齢や、新しい事に迷っている方の少しでも参考にしていただけたら嬉しいです。
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就職したのは証券会社窓口業務
特にやりたい事が決まってなかった私は、事務職以外のちょっと華やかな仕事に憧れていました。
企業の株価が軒並み高値をつけた時代にこの仕事につけたこと、800人の担当のお客様と関わったことは、若い私のとって色々な勉強になりました。
店頭主任にもなり仕事は楽しくて好きでしたが、遠方に嫁いだこともあり、結婚とともに仕事を退職しました。
教員として採用されるまでの流れ
教育委員会の方からご連絡をいただく
教育委員会の方から名簿に載っていた私の所にお電話があり、病気で急に欠席しなければならない先生が出て、大至急次の先生を探さなくてはならないようでした。
とても困っていらっしゃったのでどうにかお手伝いしたい気持ちはありましたが、年齢や経験のないことを考えるとすぐにお返事はできませんでした。
その後も何度もご連絡をいただき、正直言うとお断り出来ず、私で出来ることであればとお引き受けした感じです。
教育委員会のご連絡をいただいた方が、元々は私の勤務する中学校で働いていた先生で、サポートをすると言ってくださったのも決心した理由の1つでした。
教育委員会の方との面談後勤務する
生徒に授業を教えるのは、大学の教育実習以来で20年近く経っていたので、不安が大きく色々な事を事前にお聞きしました。
教育委員会の方との面談の際には、大学の卒業証書のコピー、教員免許証のコピー、学校が定めた項目の健康診断書も一緒に提出します。
年度の途中で採用される場合の健康診断、健康診断書は、自費になります。
診断書は25000円もしてビックリしたのですが、病院によって料金が異なる事が後でわかり、事前の確認をお勧めします。
教員の種類
教員採用試験で本採用となる正規の教師
働いてみて初めてわかったのですが、中学校の教員は、新卒で教員になれる方はかなり少ない事に驚きました。
新卒で受からなかった場合は、何年か中学校で働いて毎年教員採用試験を受けます。
中学校の場合、基本的に採用が決まった市のどこかの中学校の中での移動があります。
学校によっては、半分位の人数しか正規の教師がいない学校もあります。
非常勤教師
担任を持たず、自分の教える教科のみの勤務をします。
毎朝の行われる朝礼、伝達会議には欠席のことも多いです。
私の住んでいる県では、お給料は時給で換算され、手当はつかないようです。
一度定年退職をされて、再びご自分の担当の科目を教えていらっしゃる先生が多いように思います。
またご結婚などで退職されて、お子さんが小さい為、短い時間の勤務をご希望される方もいらっしゃいます。
臨時的任用教員
育児休業や、長期の研修、病欠の教員が出た場合に勤務することが出来ない教員の代替として採用されます。
私が採用されたのはこれでしたので、常勤の勤務で副担任、部活も担当すると言うものでした。
*非常勤教師、臨時的任用教員は、市の教育委員会に登録しておくと、年度末に採用のご連絡いただけることが多いです。
初めてする教員の仕事
私に対する先生の反応
初日は40歳にもなって、初めて教員の仕事につく私を受け入れてもらえるのだろうかと言う不安で一杯でした。
しかし年齢と問わず、私には皆さん敬語でお話ししてくださり、どんな小さなことでも丁寧に細かく教えてくださいました。
最初に勤務した学校は、教員数が多く50人近い中学校でしたが、どの先生も人格が素晴らしい方ばかりでした。
私に対する生徒の反応
私が新しく病欠した先生の代わりに来たことは、全校生徒にプリントで知らせされましたが、私が初めて教員の仕事につくことは誰も知らないのです。
私はこの年齢だからこそ自信を持って、堂々と生徒に接しようと思いました。
私の担当科目は家庭科だったので、家庭を持って今まで経験してきた事が生かされ授業がとても面白い!と評判になったことは意外でした。
授業の終わりにいつも個人的にお手紙をくれたり、先生大好きと言われたりすることで自信もつきました。
授業の準備について
ほとんど初めてに近い授業をするにあたって、最初は物凄く緊張しました。
45分間をいかに楽しく授業するか時間配分を考え、資料をたくさん集め、何度も実際の授業のように練習しました。
7クラスまであるので、回数を重ねるごとに生徒の反応が良かった所がわかり改善を重ねました。
こちらが新人であっても一生懸命頑張っている姿勢は、生徒には十分伝わっている気がしました。
授業の回数を重ねるうちに、どんどん教え方のコツもわかってきました。
まとめ
若い頃は自分がどんなことでも出来そうな気がして何でも挑戦出来たりしますよね。
年々歳を重ねるごとに臆病になり、新しいことを始めることはとても勇気がいることのように思います。
私は教員になるつもりはなく、資格が取れるのであれば取っておいた方がいいと父に言われて仕方なく教職課程を取りました。
当時は、教職課程を取ったことで友達よりも履修科目が増え、教育実習にも行かなくてはならなかったので後悔したりもしました。
でもその資格が20年も経って役に立ち、思いがけず教員の仕事が出来たこと、新しい人生が開けたことは、父に感謝しかありません。
また、証券会社の仕事で学んだことが学校での仕事に生かせる事も沢山ありました。
どんなことを始めるにも最初は凄く勇気がいりますよね。
でも不安なことばかり考えているよりも、思い切って挑戦してみたら思いがけない発見や成長があると思います。
新しいことに常に取り組んで幾つになっても1日1日成長していけたら素敵だと思います。
40歳からの新たな趣味もご参考になさってみてくださいね。